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白内障について

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眼のレンズの役割を果たしている水晶体は、そもそもは透明であり、光をよく通します。白内障は、加齢を主な原因として徐々に水晶体が混濁する疾患であり、加齢以外の原因としては、糖尿病などの全身疾患やステロイドなどの薬物の副作用、外傷、紫外線、喫煙などが挙げられます。

白内障は患者数が多い

日本における白内障は、60代で約70%、70代で約85%、80代以上では100%の方にあると報告されています。

白内障の症状

白内障の症状としては、視力低下、かすみ、まぶしい、手元が見やすくなる(見かけの老眼軽減)などが代表的です。こうした症状を覚えたなら、一度眼科を受診しましょう。

  • 目が霞んで、視界が白く霧がかかったように見える
  • 明るいところでは、かえって目が見えにくい
  • 太陽光や街灯、車のヘッドライトなどの光がやけに眩しく感じられる
  • 視力が低下して、小さな文字が読みづらくなった
  • 眼鏡の度が急に合わなくなった 

・・・など

白内障の検査

問診・診察の後に、下表のような検査を行うのが一般的です。

視力検査
裸眼視力および矯正視力をそれぞれ測定します。裸眼視力が悪くても、矯正視力が良ければ、それほど白内障の心配はありません。しかし、レンズを装着した状態で測る矯正視力が落ちているような場合は、白内障や何らかの網膜障害が疑われます。
細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査
細隙灯顕微鏡という特殊な検査機器を用い、斜めの方向から帯状の光を当てながら、目を拡大して詳細に観察します。水晶体の状態を詳しく調べられるため、白内障の診断には欠かせない検査です。白内障にかかっている場合には、水晶体の濁りやその程度がよくわかります。

白内障の治療

軽度の白内障では、視力障害の自覚が少ないため、白内障治療薬点眼で経過観察することが多いです。一方、日常生活に支障が出るほどに視力低下が進行した時には、手術療法が第一選択となります。

経過観察
症状が軽度で見え方が日常生活に支障が無いようなら、点眼薬などを使用して経過観察をします。白内障点眼は特に初期の白内障には進行予防に有効とされています。
手術療法
白内障が進み、日常生活に支障をきたす程度の視力障害を認める場合、白内障手術が第一選択となります。現在の標準的な白内障手術は、局所麻酔下にて2.4㎜程度の小さな創口から、超音波にて水晶体を乳化吸引し、人工の眼内レンズ(アクリル樹脂やシリコン素材)を挿入する方法です。